容積率の制限とは? 詳しく解説!
こんにちは!今回は、「容積率」について解説します。建築計画において重要な「容積率の制限」について詳しく見ていきましょう。
1. 容積率とは?
容積率とは、建物の各階の床面積の合計(延べ面積)が敷地面積に対してどれだけの割合を占めるかを示す指標です。都市計画や建築法規において、建物の高さやボリュームを制限するための基準となります。
容積率の計算方法
容積率は以下の公式で計算されます:
容積率(%) = (延べ面積 ÷ 敷地面積) × 100
例: 敷地面積が200平方メートル、延べ面積が300平方メートルの場合、
容積率 = (300平方メートル ÷ 200平方メートル) × 100 = 150%
2. 容積率の制限
建築物の容積率は、次の2つの基準によって制限されます:
- 都市計画で定められる容積率の最高限度(指定容積率)
- 前面道路幅員による容積率の最高限度(道路幅員制限)
1. 都市計画で定められる容積率の最高限度(指定容積率)
用途地域ごとに、都市計画で定められた容積率の上限があります。この上限を超えて建築することはできません。
表1:指定容積率
用途地域 | 指定容積率 (%) |
---|---|
第1種・第2種低層住居専用地域、 田園住居地域 | 50, 60, 80, 100, 150, 200 |
第1種・第2種中高層住居専用地域 第1種・第2種住居地域、準住居地域 近隣商業地域、準工業地域 | 100, 150, 200, 300, 400, 500 |
商業地域 | 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1000, 1100, 1200, 1300 |
工業地域、工業専用地域 | 100, 150, 200, 300, 400 |
2. 前面道路幅員による容積率の最高限度(道路幅員制限)
前面道路の幅員が12メートル未満の場合、次の公式により容積率の上限が制限されます:
道路幅員(m) × 数値(%)
- 低層住居専用地域:前面道路幅員 × 40%
- その他の地域:前面道路幅員 × 60%
この計算で指定容積率と前面道路による容積率計算を比べ、小さい方がその敷地での容積率の制限値となります。
表2:前面道路幅員による容積率制限
地域・区域 | 前面道路幅員に乗じる数値 (%) |
---|---|
第1種・第2種低層住居専用地域、 田園住居地域 | 40 |
第1種・第2種中高層住居専用地域 第1種・第2種住居地域、準住居地域 | 40(特定行政庁が指定する区域では60) |
その他の地域 | 60(特定行政庁が指定する区域では40または80) |
具体的な計算例
指定容積率200%の第1種住居地域の敷地が4m道路に接している場合。
4m×40=160% 160%≦200%
この敷地の容積率の制限は160%となります。
指定容積率200%の第1種住居地域の敷地が6m道路に接している場合。
6m×40=240% 240%≧200%
この敷地の容積率の制限は200%となります。
3. 複数の地域にまたがる敷地の容積率の制限の計算例
敷地が複数の用途地域にまたがっている場合、それぞれの地域の容積率を合計して、全体の容積率を求める必要があります。
具体的な計算例
この図は8m道路に接している敷地面積が600㎡で、容積率500%の部分が400㎡、容積率200%の部分が200㎡という例です。
この場合の建蔽率の制限の計算は次の通りです。
(400㎡×500%×0.6/600㎡)+(200㎡×200%×0.4/600㎡)=2.2666
この敷地での容積率の制限は226%となります
まとめ
容積率は、都市計画や建築法規において非常に重要な指標です。用途地域ごとに異なる容積率の制限があり、これを正しく理解することで、効率的な土地利用と安全な建築計画が可能となります。
次回も、建築基準法や関連する規制について詳しく解説していきますので、ぜひチェックしてください。