永住権とは、法務大臣が永住を認める者として付与される在留資格です。永住というだけあって、期間の制限がなく在留することが出来、就業も自由にすることが出来ます。これは裏返すと、出入局在留管理局がその外国人に関して最終審査をすることになることから、当然に厳しい審査となります。(在留期間に限りは無くとも在留カードには更新があります。)
在留資格「永住権」を取得するための3つの条件
在留資格「永住者」を取得するためには次の3つの条件をクリアしなければなりません。
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- 永住が日本国の利益になると認められること
永住権を申請する外国人が、「日本人の配偶者または子」「永住者の配偶者または子」「特別永住者の配偶者または子」の場合は、「1.素行が善良であること」「2.独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」の条件はありません。
1.「素行が善良であること」とは
次のいずれにも該当しない者であることが必要です。
2.「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」とは
「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」とは生活保護などを受給しておらず、申請者の職業、有する資産等から見て将来において安定した生活が見込まれることをいいます。
申請者が「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」の条件を単独で満たしている必要はなく、配偶者等との世帯単位でみた場合に経済安定性があれば、この条件を満たしていると扱われます。
また収入だけではなく、預貯金、不動産などの資産を有していることで生活の安定を保っていると見られれば、この条件を満たします。
確認期間
「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」を確認するための対象期間については「1年間」「3年間」「5年間」と3パターンあります。
3.「永住が日本国の利益になると認められること」とは
長期間にわたり日本に居住していること
多くの在留資格の在留期間で最長は「5年」となっていますが、在留期間「3年」を有する場合は、「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととなっています。
「5年」の在留期間が新規創設される前の最長期間が「3年」であったことと、「3年」に比べ「5年」を取得するハードルが上がったことで、この「最長の在留期間で在留している」ことも難しくなった点が、この措置につながっています。
公的義務を適正に履行していることを含め、法令を遵守していること。
納税、公的年金、公的医療保険の保険料の納付、入管法に定める届出等の義務※5を順守していること。
永住申請時には、申請人が入管法に定められている届出を行っているか確認されます。住居地の変更届や、在留カードに記載されている内容の変更届、転職によって変わる所属機関の届出等は忘れないよう注意が必要です。
公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
日本社会における生命や生活を守るために、害となるおそれがないことが必要です。永住申請の申請者が、日本社会で他者の生命を脅かすような感染病に罹患していたり、生活を脅かすような言動をしていないかを確認されます。
この要件が審査に影響を及ぼすならば、申請人にはすでに重大な問題が生じていると考えられます。
永住申請の在留期間に対する特例
これまで説明した永住申請の在留期間要件に関わらず、特例が認められるケースがあります。