遺言書とエンディングノートの違い

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書店に行くと「遺言書の書き方」や「エンディングノートのすすめ」などの書籍が並んでいます。どちらも用意しておいた方が遺族が助かるもので間違いはありませんが、これらを同じものだと思っていたり、どちらかを用意しておけば大丈夫と思っている方は多いと思います。

そこで今回は、遺言書とエンディングノートの違いをサクッと説明したいと思います。

遺言書とは

遺言書は、法的効力を持つ文書であり、遺産相続の詳細を明確にするためのものです。遺言書には、以下のような内容が記載されます。

  • 誰がどの財産を相続するか
  • 財産の分配方法
  • 遺言執行者の指定

遺言書の大きな特徴は、法律的な効果を持つ点です。遺言書が適切に作成されていれば、その内容に基づいて遺産が分配され、相続人同士の争いを未然に防ぐことができます。また、遺言書の作成には一定の形式が求められ、特に公正証書遺言の場合、公証人の確認が必要です。

遺言書についてはこちらのページもご参考になさってください。

エンディングノートとは

エンディングノートは、法的効力を持たないものの、故人の意思や希望を伝えるための文書です。エンディングノートには、以下のような内容が含まれます。

  • 財産の詳細(銀行口座の情報、不動産の所在地など)
  • 葬儀の希望
  • 連絡してほしい人のリスト
  • 自分史やメッセージ

エンディングノートは、遺族がスムーズに手続きを進めるためのガイドラインとして機能します。遺言書が法的な手続きを円滑にする一方で、エンディングノートは日常の細かな情報を整理し、遺族が困らないようにするためのものです。

遺言書とエンディングノートはどちらもあった方が良い

下記のような相続手続きには遺言書か遺産分割協議書が必要です。遺言書があれば、遺産分割協議を行わずに手続きが進められるので、遺族は大変助かります。

  • 預貯金の相続手続き
  • 不動産の相続登記
  • 上場株式等の有価証券の相続手続き
  • 自動車の名義変更
  • 相続税の申告

遺言書は法律文書ですので、書き方に決まりがありますし、公正証書遺言の場合は公証人に確認してもらわないといけませんので、細かいことまでを書くことに適していません。遺言書には財産目録を付けますが、通帳はどこに置いてあるとか、実印はどこにあるとかまでは書き記しません。

また、遺言書を書いたかどうかわからない場合には、遺言書がすぐに見つからないことがありますので、エンディングノートに遺言書の有無を書き記せば遺族が相続手続きをするための助けになるのです。

まとめ

遺言書とエンディングノートは、それぞれ異なる役割を持ちながらも、両方とも遺族が困らないために重要な文書です。遺言書は法的効力を持ち、相続手続きを円滑に進めるために必要です。一方、エンディングノートは故人の意向や日常的な情報を整理し、遺族がスムーズに手続きを進めるためのガイドラインとして機能します。どちらも用意しておくことで、遺族が混乱することなく、故人の意向を尊重しながら手続きを進めることができます。

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