死亡保険金は、被保険者が自分自身を受取人として指定したような場合を除き、相続財産に属しません。
場合により「みなし相続財産」として相続税の対象になるのでややこしいですが、あくまで保険契約によって発生する金銭ですので、相続放棄をした場合であっても保険金の受け取りをできることは知っておきたいポイントです。
死亡保険金を受け取ったことによる税金の扱いは以下の記事をご参照ください。
相続放棄をして死亡保険金を受け取るときの注意点は以下の記事をご参照ください
生命保険を活用した相続対策
遺産分割の調整金として
前述した通り、生命保険金は民法上の相続財産ではありませんので、遺産分割で相続争い起きても、生命保険金は遺産分割協議の対象とはなりません。
遺言で遺産分割を指定した場合でも、遺留分を侵害された相続人がいる場合、財産を取得した人が侵害を受けた相続人から遺留分減殺請求される可能性がありますが、死亡保険金は、受取人固有の財産となりますので、遺留分減殺請求の対象にはなりません。
また共有したくない不動産のような相続財産の場合に、一人に不動産を相続させて、他の相続人に代償金として死亡保険金を活用することが出来ます。
早く確実な資金調達手段として
被相続人が死亡した場合、被相続人の金融機関の口座は凍結されます。これを解除する場合には、時間のかかる手続きをしなければなりません。預貯金は相続財産となりますので、遺言書がない場合には、遺産分割協議が必要となり解除までにかなりの期間が必要となります。
死亡保険金の場合には受取人が保険会社に連絡し必要書類を揃えて請求すると、保険会社の1週間程度で保険金を受け取ることが出来ます。
遺産分割協議前に、凍結口座から150万円を限度に引き出せる制度がありますが、これも相続人である証明などに時間が掛かりますので、死亡保険金の方が早期にまとまった資金が必要となる場合に備えることができます。
納税資金を準備することができる
相続税の申告は被相続人の死亡を知った日から10か月以内にしなければなりません。また、納税は原則現金で支払うことになっていますので、相続財産のほとんどがすぐに換価できない不動産であった場合では、相続税の資金に窮することになるでしょう。
このような場合、相続人を受取人とした生命保険に加入しておけば、死亡保険金を受け取ることによって納税資金に充てることが出来るようになります。
まとめ
生命保険の加入は、生前に出来る相続対策の一つですが、保険は物によって掛け金や内容が異なり、どのようなものに加入すべきか判断に迷くことがあると思います。必要な方は将来の安心のために専門家のアドバイスを受けておくと良いでしょう。
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