アポスティーユ、公印確認は、どちらも日本の官公署、自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。外国で日本の公文書を提出する必要が生じたときに、提出先機関から、外務省の証明を取得するよう求められた場合に必要になります。
アポスティーユとは
「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)※略称:認証不要条約」に基づくアポスティーユによる外務省の証明のことです。アポスティーユが通用するのはハーグ条約締約国のみです。日本の公文書に外務省が付箋を付けて、外務省印を押して証明します。
本来、日本の公文書を海外で証明書として使用するためには、外務省が公文書を証明した後に、大使館・(総)領事館の領事が認証することが必要です。
しかしアポスティーユを取得すると日本にある大使館・(総)領事館の領事認証があるものと同等のものとして、提出先国で使用することができます。
認証不要条約を結んだ国同士では、アポスティーユを付与することで外務省の信用を以って大使館・(総)領事館の領事認証が不要とされています。
日本国民にとっては使い勝手が良い制度となっています。

令和6年5月24日時点では、「タイ」「ベトナム」「マレーシア」「カンボジア」「ラオス」「モルディブ」など日本からの渡航者が多いアジアの国々で認証不要条約を締結していません。
公印確認
ハーグ条約未締結国の機関で、日本の公文書を証明書として使用するためには、外務省が公文書を証明した後に、大使館・(総)領事館の領事が認証することが必要です。
外務省では公文書上に押印されている公印を確認することを以って公文書の証明を行っています。この公印確認を受けた後に日本にある外国の大使館・(総)領事館の領事認証を取得することで、海外で証明書として通用します。
アポスティーユと違い、公印確認は駐日外国大使館・(総)領事館での領事認証の前提ですので、公印確認だけでは何の証明のにもなりません。そのため、駐日外国大使館・(総)領事館での領事認証までがワンセットになります。

提出先機関によっては外務省の公印確認ではなく、現地にある日本大使館や総領事館の証明が求められている場合があります。
この場合、外務省で公印確認を受けた書類を海外に持って行っても、現地の日本大使館や総領事館で重ねて証明することはできません。
アポスティーユや公印確認が必要な方は、当事務所にご依頼ください。