遺族年金って聞いたことがあるけど

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年金加入者が亡くなったとき、遺族年金が支給されます。なんとなく聞いたことあるけど・・

今回はそんな遺族年金について説明していきます。

その前に国民年金の加入種別について説明しておきます。

2階部分厚生年金
1階部分国民年金
第1号被保険者第2号被保険者第3号被保険者
農業者・自営業者・学生など会社員・公務員など第2号被保険者に扶養されている
年収130万円未満の配偶者

20歳以上60歳未満のすべての方が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員・公務員などが加入する厚生年金保険の2階建て構造です。
会社員・公務員は、2つの年金制度に加入します。

説明中で「国民年金に加入」と書いてあれば、厚生年金に加入している会社員等でも対象となります。

遺族年金とは?

遺族年金とは、家計を支えていた方が亡くなった際に、その方の遺族に対して支給される公的年金制度です。主に遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金の3つに分かれています。これらの年金は、残された家族が経済的に困窮しないように支援することを目的としています。

遺族基礎年金

支給対象者

遺族基礎年金は、亡くなった方が国民年金に加入していた場合に支給されます。主に支給されるのは、子どもがいる配偶者または子ども自身です。ここでいう「子ども」とは、18歳未満(障害がある場合は20歳未満)の未婚の子どもを指します。

支給額

配偶者と子どもがいる場合の基本額に加えて、子ども一人あたりの加算があります。これにより、遺族が生活費の一部を賄うことができます。

子のある配偶者が受け取るとき
昭和31年4月2日以後生まれの方816,000円 + 子の加算額
昭和31年4月1日以前生まれの方813,700円 + 子の加算額
令和6年4月分からの支給額
  • 1人目および2人目の子の加算額 各234,800円
  • 3人目以降の子の加算額 各78,300円

遺族厚生年金

支給対象者

遺族厚生年金は、亡くなった方が厚生年金に加入していた場合に支給されます。主な支給対象者は、配偶者、子ども、父母、孫、祖父母などです。ただし、配偶者が最も優先されます。

支給額

遺族厚生年金の年金額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分×3/4の額となります。そのため、亡くなった方の年収や加入期間に応じて金額が異なります。

寡婦年金

寡婦年金は受給条件が少し複雑です。ちなみに寡婦という名の通り、受給できるのは女性のみです。最近では主夫という言葉がありますが、男性は受給対象ではなりません。

支給対象者

亡くなった夫の条件
  • 10年以上国民年金の第1号被保険者であったこと
  • 老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがないこと
妻の条件
  • 亡くなった夫と10年以上継続して婚姻関係があった(事実婚を含む)
  • 亡くなった夫に生計を維持されていた
  • 繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けていない
  • 遺族基礎年金や遺族厚生年金を寡婦年金の申請時に受給していない
  • 18歳未満(障害がある場合は20歳未満)の未婚の子どもがいない。※1

※1:子供がいないことは寡婦年金の条件ではありませんが、子供がいる場合は遺族基礎年金の方が受給額が高いので条件に入れています。

この条件を満たした場合に60歳~65歳まで支給されます。

支給額

支給額は、亡くなった夫が受給する予定であった老齢基礎年金の約4分の3です。支給期間は、妻が60歳から65歳になるまでの最大5年間です。

仮に年金額が支給された場合は、816,000円(令和6年)×3/4=612,000円となります。

遺族年金の申請手続き

遺族年金の申請は、亡くなった方が加入していた年金制度に応じて、厚生年金と第2号第3号の国民年金は年金事務所、第1号被保険者の国民年金は市区町村役場で行います。申請には、亡くなった方の戸籍謄本や住民票、死亡診断書、加入していた年金制度の証明書類が必要です。申請が遅れると、年金の受給が遅れることになるため、できるだけ早めに手続きを行うことが重要です。

まとめ

遺族年金は、家族が亡くなった後の生活を支えるために非常に重要な制度です。しかし、どの年金が自分に該当するのか、また支給額がどのくらいになるのかを理解するのは難しい場合もあります。専門家に相談することで、適切な手続きを行い、遺族年金を最大限に活用することができます。