遺言による相続と代襲相続の関係

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推定相続人が先に亡くなった場合の対応

こんにちは!今回は、遺言で「特定の相続人に相続させる」と指定された場合に、その相続人が遺言者の死亡前に亡くなっていた場合の代襲相続について詳しく解説します。遺言や相続に関する法律は非常に複雑で、誤解しやすい部分も多いため、しっかりと理解しておきましょう。

一般的な法的要素

相続と遺言の基本

相続は人の死亡によって開始し、遺産は相続人に承継されます【民法第896条】。遺言がある場合は、その内容に従って遺産が承継されますが、遺言の効力が生じるのは遺言者の死亡時とされています【民法第985条】。

「相続させる」遺言の意味

遺言で「特定の相続人に相続させる」と記載されている場合、それは遺産分割の方法を指定するものであり、相続開始と同時に指定された相続人が遺産を取得します。これは、遺産分割を行わずに直ちに相続財産を取得できるという意味です。

代襲相続の基本

通常、相続人が被相続人の死亡前に亡くなった場合、その相続人の子が代わりに相続権を引き継ぐ「代襲相続」が発生します【民法第887条】。これは法定相続における仕組みであり、相続財産の分割や承継に対する重要な要素です。

遺言と代襲相続

遺言で「特定の相続人に相続させる」と指定された場合、その相続人が遺言者の死亡前に死亡していると、通常は代襲相続は発生しません。遺言は特定の相続人に対する意思を示しているため、その相続人が存在しない場合、その遺言部分は効力を失います。

最判平成23年2月22日
遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはない。

https://www.courts.go.jp/

遺言者が特定の相続人に遺産を相続させる旨の遺言をした場合、その相続人が遺言者の死亡前に死亡していたとしても、遺言書の他の記載や遺言書作成当時の状況などを考慮して、代襲相続を認める特別な事情がない限り、遺言による相続は発生しないと解されています。

具体的事例:相続人が死亡前に亡くなっていた場合の対応

地主である被相続人は、「全ての遺産を長男に相続させる」との遺言を残していました。しかし、長男は地主が亡くなる前にすでに死亡していました。長男には子が2人おり、「祖父が遺言で示した意思は、私たちが代襲して引き継ぐ」と主張しています。しかし、他の相続人である次男は、「遺言は無効であり、遺産分割協議が必要」と主張しています。

対応策と法的判断

  1. 遺言の効力について 遺言は、遺言者の死亡時に効力を発生しますが、遺言書に「相続させる」と指定された相続人がすでに亡くなっている場合、その部分の遺言は効力を失います。
  2. 代襲相続の適用範囲 遺言による相続は、通常の法定相続とは異なり、遺言者の意思が重視されます。したがって、指定された相続人が死亡している場合、その子に代襲相続させる旨の特別な事情がない限り、代襲相続は適用されません。
  3. 遺産分割協議の必要性 長男が死亡しているため、遺産分割協議を行い、他の相続人と遺産の分割方法を決定する必要があります。遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所での調停や審判を通じて解決することが求められます。

まとめ

遺言で「相続させる」と指定された相続人が遺言者の死亡前に死亡していた場合、その相続人の子が代襲相続できるかどうかについて詳しく解説しました。基本的に、代襲相続は法定相続での仕組みであり、遺言で指定された場合には適用されないことが原則であることを理解しましょう。

相続に関する手続きや法的な問題は非常に複雑です。遺言や相続に関する問題が生じた際には、専門家のアドバイスを受けて適切な対応をすることが重要です。

次回も、相続や不動産に関する重要な情報をお届けしますので、ぜひチェックしてください!