引き続き建築基準法第56条6項について解説します。
建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
今回は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合の緩和措置について説明します、
いわゆる水面緩和については、政令・建築基準法施行令において道路斜線、隣地斜線、北側斜線と分けて規定がありますので、まずは規定の内容を紹介したうえで図を使って説明していきたいと思います。
道路斜線制限の水面緩和
前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、当該前面道路の反対側の境界線は、当該公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線にあるものとみなす。

道路斜線に関しては、道路の向こう側の河川については幅員に含まれるものとして向こう岸から斜線が始まります。道路斜線に関する建物後退や、2方道路緩和についても適用されます。

公園についても同様に道路を挟んだ公園の反対側の境界線から斜線が始まります。
隣地斜線制限の水面緩和
法第56条第6項の規定による同条第1項及び第5項の規定の適用の緩和に関する措置で同条第1項第2号に係るものは、次に定めるところによる。
建築物の敷地が公園、広場、水面その他これらに類するものに接する場合においては、その公園、広場、水面その他これらに類するものに接する隣地境界線は、その公園、広場、水面その他これらに類するものの幅の2分の1だけ外側にあるものとみなす。
同条第1項第2号とは隣地斜線制限を指します。隣地斜線の場合は河川や湖などの水面、広場、公園の幅の1/2だけ緩和されます。

公園も同じく、幅の1/2まで緩和されます。

北側斜線制限の水面緩和
法第56条第6項の規定による同条第1項及び第5項の規定の適用の緩和に関する措置で同条第1項第3号に係るものは、次に定めるところによる。
一 北側の前面道路の反対側に水面、線路敷その他これらに類するものがある場合又は建築物の敷地が北側で水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合においては、当該前面道路の反対側の境界線又は当該水面、線路敷その他これらに類するものに接する隣地境界線は、当該水面、線路敷その他これらに類するものの幅の2分の1だけ外側にあるものとみなす
同条第1項第3号とは北側斜線制限のことを指します。北側斜線は河川などの水面、線路敷きが緩和の対象となります。ここも隣地斜線制限と同様に幅の1/2まで緩和が効くですが、公園は緩和の対象になっていないことに注意が必要です。


今回は建築基準法第56条6項における公園、広場、川、線路などに接する場合の緩和措置について詳細に解説しました。
建築物が公園や水面、線路に接する場合、これらの緩和措置は周囲の環境に合わせて適用されます。しかし、例えば、公園の場合には一部の緩和が適用されないこと等の例外を覚えておく必要があります。
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