建築面積と軒の特例について詳しく解説
こんにちは!今回は、建蔽率について詳しく説明していきます。特に、軒(のき)の特例についても詳しく解説します。これを理解することで、建蔽率の基礎をしっかりと押さえることができます。
1. 建蔽率とは?
建蔽率(けんぺいりつ)は、建築物の敷地面積に対する建築面積の割合を示します。これは、土地利用の効率化や都市の景観、災害時の安全を確保するために重要な指標です。
建蔽率の計算方法
建蔽率は、次の公式で計算されます:
建蔽率(%) = (建築面積 ÷ 敷地面積) × 100
例:敷地面積が200平方メートル、建築面積が100平方メートルの場合、
建蔽率 = (100平方メートル ÷ 200平方メートル) × 100 = 50%
2. 建築面積に含まれる部分
建築面積には、建物の主要な部分である外壁や柱の中心線で囲まれた部分が含まれます。また、軒や庇(ひさし)など、1メートル以上突き出た部分も建築面積に含まれます。その場合は、軒の先端から1m後退した部分までが建築面積に算入されます。
図解:建築面積に含まれる部分
- 建築面積:外壁や柱の中心線で囲まれた部分。
- 軒や庇:1メートル以上突き出た部分は、建築面積に含まれる。
3. 軒の特例について
建蔽率を計算する際、特定の条件を満たす場合に、工場又は倉庫の建築物で専ら貨物の積卸し業務等のためにある庇、軒下等が建築面積に算入されないことがあります。これを「特例軒等」といいます。
その場合は軒の先端から5m後退した部分までが建築面積に算入されます。
国土交通大臣が認める軒等(特例軒等)
軒の特例は、以下の条件を満たす場合に適用されます:
- 軒の先端から敷地境界線までの距離:軒の先端から敷地境界線までの距離が5メートル以上であること。
- 軒の高さ:軒の高さが、敷地境界線からの距離以下であること。
- 軒の材料:軒は不燃材料で造られていること。
- 上部に上階がないこと:軒の上部に上階を設けないこと(空調室外機の設置は可能)。
- 建蔽率への影響:不算入となる軒の面積は、建築可能面積の1/10以下とすること。
軒の特例を使った建築面積
図解:建築面積に含まれる部分
敷地面積が300平方メートル、建蔽率が60%の場合、建築可能面積は180平方メートルです。ここに、不燃材料で造られた軒が敷地境界線から7メートル以上離れ、高さも7メートル以下の場合、その軒の面積(建築可能面積の1/10以下)は建蔽率の計算から除外されます。(不算入部分の長さは5mを上限とする)
4. 軒の特例が適用される場合の注意点
軒の特例を利用する際には、以下の点に注意が必要です:
- 材料の規定:軒は必ず不燃材料で造られていることを確認してください。
- 高さの制限:軒の高さが敷地境界線からの距離以下であることを確認してください。
- 建築可能面積の確認:軒の面積が建築可能面積の1/10以下であることを確認してください。
まとめ
建蔽率は、都市計画や建築法規において非常に重要な指標です。軒の特例を理解し活用することで、効率的な建築計画を立てることが可能です。このブログ記事では、建蔽率の計算方法や、軒の特例について詳しく説明しました。
次回も、建築基準法や関連する規制について詳しく解説していきますので、お楽しみにしてください。