今回はインフラ設備の調査の確認について解説していきます。インフラ設備の状態は、取引に大きな影響を与えるため、細心の注意を払って調査することが重要です。
インフラ設備の調査
インフラ設備の調査は、物件が日常生活に必要な水道、下水、ガス、電気などの設備を適切に備えているかを確認する作業です。これにより、生活に支障がないか、将来的な修繕や交換のリスクを把握できます。
水道の確認
- 水道の埋設管調査
- 水道管がどのように敷設されているか、材質や劣化状況を確認します。例えば、古い物件では鉛管が使用されていることがあり、健康リスクが伴うため注意が必要です。このような情報は、所有者からの委任の上、水道局で確認します。
- 水質検査の実施
- 水質に問題がないか、水質検査の必要性を説明します。例えば、受水槽からの給水の場合、錆が発生している古い鉄管では、赤水が出ることがあります。清掃履歴を確認し、必要に応じて水質検査を依頼し水質が基準を満たしているかを確認するように説明します。
- 水圧の確認
- 各蛇口での水圧が適切かを確認します。水圧が低い場合、口径不足や配管の詰まりや老朽化が原因である可能性があります。実際に水を流して確認することで、水圧の状態を把握します。
下水の確認
- 下水管の配置
- 下水管がどのように敷設されているか、経路を確認します。例えば、排水が正常に流れるかを確認するために、実際に水を流してテストすることが重要です。また、下水管が詰まっていないかを確認します。
- 下水枡の位置
- 下水枡(ます)の位置と状態を確認します。例えば、下水枡が詰まっていると、排水が逆流してしまうことがあります。下水枡を開けて、中に異物がないかを確認します。
- 排水経路の確認
- 排水がどのような経路で流れるかを確認し、問題がないかを確認します。特に、隣地を越えて排水が流れている場合は注意が必要です。下水管の位置や経路は下水道台帳では確認しきれないことがありますので、特に注意を要します。古い多棟現場だと複数宅地内で下水管を共用している場合もあります。
ガスの確認
ガスに関しては、ガス会社が管理していますので、そこまで困ることはないと思います。プロパンの場合は埋設されていませんし、プロパンガス会社は都市ガスよりも積極的に関与してくる(営業してくる)ので、建て替えの時も給湯器の設置料金など価格面で相談に乗ってくれます。
電気の確認
- 電気配線の状態
- 電気配線が適切に設置されているか、劣化や破損がないかを確認します。古い配線の場合、火災のリスクがあるため、電気工事士に依頼して状態を確認してもらうことも想定して説明します。
- 電気容量の確認
- 電気容量が十分であるかを確認します。例えば、任意売却などの物件だと、建物の大きさに合わない電気容量が少ない契約(料金が安い契約)をしていることがあります。電気容量が不足していると、家電製品を複数使用する際にブレーカーが落ちる可能性がありますので、ブレーカーの容量を確認し、電気容量を増やせるか電力会社に問い合わせて、工事が必要な場合は増設工事の必要性を説明します。
- 引込線の状態
- 引込線が適切に設置されているかを確認します。特に、電柱からの引込線が適切に設置されているか、越境していないかを確認します。
まとめ
インフラ設備を適切に調査することで、将来的なリスクを回避し、安心して物件を選ぶことができます。今回紹介した具体的なチェックポイントや調査方法を参考にして、物件選びに役立ててください。