判示事項

 一 国が行う私法上の行為と憲法九八条一項にいう「国務に関するその他の行為」
二 私法上の行為と憲法九条の適用
三 憲法九条と民法九〇条にいう「公ノ秩序」との関係

裁判要旨

 一 国が行う私法上の行為は、憲法九八条一項にいう「国務に関するその他の行為」には当たらない。
二 私法上の行為には憲法九条は直接適用されるものではない。
三 憲法九条の宣明する国家の統治活動に対する規範は、そのままの内容で民法九〇条にいう「公ノ秩序」の内容を形成し、それに反する私法上の行為の効力を一律に否定する法的作用を営むということはなく、私法的な価値秩序のもとで確立された私的自治の原則、契約における信義則、取引の安全等の私法上の規範によつて相対化され、「公ノ秩序」の内容の一部を形成する。

参照法条

 憲法9条,憲法98条1項,民法90条