制限行為能力制度の概要

すわる行政書士民法は、私的自治の原則を基本原理として据えています。 人は自由な意思に基づいてのみ自らの法律関係を発生させることでき、その意思の結果責任を自ら負わなければなりません。 この意思能力を欠いた法律行為は無効となりますが、外観から意思能力の有無を証明することは困難であるし、また意思能力が無い事を理由に無効となると、法律行為の相手方に不測の損害をあたえることになります。 そこで、意思能力が十分ではない者に対し予め一定の取引行為を制限し、意思能力が十分ではない者が単独で行った制限取引行為を取り消し可能にする制度をつくりました。それが制限行為能力制度です。

制限行為能力者となる者
 

 

未成年 20歳未満の者。ただし20歳未満で、婚姻者は成年とみなす。
成年被後見人 精神上の障害があるために事理弁識能力を常に欠いている状況にある者。
被保佐人 精神上の障害があるために事理弁識能力が著しく不十分な者。
被補助人 精神上の障害があるために事理弁識能力が不十分な者。

 

成年後見制度の問題点

老夫婦未成年との取引では年齢確認が容易であり、親権者の同意があることを確認することも容易いことだと思います。 注意すべきは取引の本人が高齢であるとか、健康状態から判断能力を疑われる場合です。 取引の相手方が家庭裁判所より後見開始の審判を受けている場合は、後見人や後見監督人が間に入り、取引内容によっては家庭裁判所の許可を受けるなど、厳格な手続きを踏みますので、登記の確認や身分証明の確認を行うことで取引の安全を図ります。 しかし、認知症などで判断能力を欠いているが、後見開始の手続きを行っていないケースについて、例えば「親の名義で取引をしたいが、寝たきりなので子を代理人として取引する」場合。 このようなケースは実際の取引でも散見されます。 代理権を授与したときに判断能力があったのか?当の本人が後に正常の精神状態に戻ったときに「その取引は子が勝手にやったものだと」主張したらどうなるでしょう。場合によっては取引自体が無効になってしまう可能性もあります。 おどろく男さらに恐いのは無効とされる前に第三者へ転売された場合です。 動産の場合は即時取得の制度があるので第三者の取引は成立しますが、不動産の場合、第三者は所有権を失ってしまいます。 スピードの要求される事業目的の取引でも確認すべきところは押えておきたいところです。